現役編集者の書評ブログ

ビジネス書の編集をしています。読んだ本を不定期で紹介します。

【読書メモ】『BLUE GIANT SUPREME 3』石塚真一

BLUE GIANT SUPREME(3)』

書名:BLUE GIANT SUPREME(3)

著者:石塚真一

出版社:小学館 (2017/10/30)

ISBN:9784091897435

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【内容】

ついに仲間を得た。音が加速する第3集。

ドイツ・ハンブルク
共に演奏していくことを約束した
大とハンナは音を合わせを続けるが、
2人の息と考え方は一向に一致しない。
そんな時、大が楽器店店主のボリスに
「デュオライブを開きたい」と申し出る。
ボリスが集めた客は、ドイツジャズ界の重鎮達。
失敗できない状況で、大とハンナの演奏は…!?
そして、物語は他メンバーを探し、ベルリンに移る。

Amazon「内容紹介」より)  

    

 

【感想】

「面白い漫画ある?」と聞かれたときには僕は必ずこの漫画を推すことにしている。

毎日の停滞感に嫌気がさしている人も、充実した毎日にさらなる刺激が欲しい人も、この漫画の「熱さ」にあっという間に引き込まれるだろう。

 

 

第3巻は、ドイツで世界一のジャズプレーヤーを目指し奮闘する主人公宮本大(ダイ)が探し続けていたチェロ奏者ハンナと再会したところから始まる。

ハンナとバンドを組むことを頼むシーンでは、なんと大の姿は一切出てこない。すべて大の目線でハンナの表情、ドイツの街並みが描かれる。

こういった新しい表現の挑戦も、この漫画の魅力の一つ。作者がストーリー、セリフ、情景すべてを考え抜いて生み出したものだというのが伝わってくるから、見たことない表現方法でも、ある種の信頼感を持って読み進めることができる。

 

もう一つの大きな魅力、「圧倒的な熱さ」も健在だ。ハンナとのはじめてのライブシーンでは、セリフは最小限に抑え、勢いのある絵で2人の「音の凄み」を伝える。

作者はインタビューなどでよく漫画でジャズを表現することの無謀さについて語っているけれど、巻数を重ねるにつれ、「音を伝える技術」がどんどん洗礼されていくのを感じる。このままどこまで進化し続けていくのだろうか。

ストーリーも、作画もこれまでどおり最高のクオリティだった。

巻の最後には、新たな仲間になりそうなキャラクターも登場し、次の巻への期待も否応なしに高まる。

 

まだ読んだことのない人も、前作の『BLUE GIANT』と合わせても13巻しか出ていないので、十分に追いつけるはず。期待を絶対に裏切らない! と自信を持ってお勧めできる漫画なので、ぜひ読んでみてほしい。

 

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