現役編集者の書評ブログ

ビジネス書の編集をしています。読んだ本を不定期で紹介します。

【書評】『ビブリア古書堂の事件手帖7 ~栞子さんと果てない舞台~』三上延

面白さって伝わらない……

「本の面白さ」を伝えるのってほんとに難しい。

これまでにない、感動する、ラスト○ページの衝撃、今年一番の傑作……

どんなに言葉を尽くして説明しても、いやむしろ言葉を重ねれば重ねるほど、その本の一番愛おしい、伝えたい部分から遠ざかっていくような感覚を覚えてしまう。

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【書評】『スタンフォード式 最高の睡眠』西野精治

新社会人がやるべきこと

仕事を始めて色々なものが減った。自由時間、友人、心の余裕……これ以上挙げていくと悲しくなりそうなのでこのくらいにしていくが、その中でも、最も大きな影響があるのが「睡眠」ではないだろうか。

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【書評】『楽しく学べる「知財」入門』稲穂健市

出版界と「契約」

出版界は契約に関して割とアバウト……だったらしい。今は事前に印税交渉なども行ない、しっかりと契約を結んでいるが、昔は結構なあなあで、契約書を交わさないなんてこともあったようだ。

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【書評】『本日は大安なり』辻村深月

65点の「ハッピーエンド」

ラストをはっきり描かない小説や映画が発表されると、必ず巻き起こるのが、「ハッピーエンド」「バッドエンド」論争だ。

主人子は家族と再会して幸せに暮らしたはず。いやいや、失意の中死んでいったに違いない……など、話は平行線のまま、また新たな作品の論争へと移っていく。

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【書評】『なぜアマゾンは1円で本が売れるのか 』武田徹

 出版界のこれまで、これから

もう何年続くんだよ……と思っている人も少なからずいるかもしれないが、出版業界が「過渡期」だといわれるようになって久しい。

電子書籍による「黒船来襲」から今まで続く、長い時代の移行期間だけれど、ここ最近、ほんとにいろんなことが変わり始めている。

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【書評】『限りなく透明に近いブルー』村上龍

小説に“飲み込まれる”

いろんな人の小説の感想を見ていると「自分の知らない新しい世界に触れられた」といった表現によく出くわす。

確かに、自分とは全く違う世界をのぞき見ることができるのは小説の大きな醍醐味の一つだと思う。

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【書評】『ようこそわが家へ』池井戸潤

「型にはまる」って意外と大事?

最近のビジネス書には「型にはまるな!」「没個性になるな!」とよく書かれている。これからは会社の歯車になるような人間に勝ち目はないから自分の強みを見つけて磨きなさい! という主張だ。

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