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現役編集者の書評ブログ

ビジネス書の編集をしています。読んだ本を不定期で紹介します。

【書評】『スタンフォード式 最高の睡眠』西野精治

新社会人がやるべきこと

仕事を始めて色々なものが減った。自由時間、友人、心の余裕……これ以上挙げていくと悲しくなりそうなのでこのくらいにしていくが、その中でも、最も大きな影響があるのが「睡眠」ではないだろうか。

 

 

大学生は朝がものすごく遅かったり、惰眠を貪って10時間以上寝ていたり、社会人の「朝ちゃんと起きて夜早く寝る」という睡眠リズムの対極に位置している。

僕自身も、社会人になる直前、これまでのぐだぐだのリズムを整えるために、2、3週間にわたり、「朝8時に起きて連続テレビ小説を見る」というリハビリを敢行した。

 

 

このリハビリのおかげで、4月に入ってからも、多少の辛さはあったがなんとか社会人生活に順応することができたし、朝ドラに最も詳しい社会人一年生になれた。

 僕は幸運にも大きな睡眠トラブルは抱えずにスタートできたが、大学生のリズムを変えることができずに、仕事に支障をきたし、睡眠外来を受診する新社会人は多いのだという。

 

 

 睡眠が不足していると、日中の集中力・思考力が低下し、仕事のパフォーマンスを下げてしまうし、大事な会議でうとうとと居眠りをしてしまえば、上司からの信頼を一気に失ってしまう。

 

 

中堅社員、ベテラン社員であれば他の仕事で取り返すこともできるが、まだ何の能力も身についていない新入社員ではいきなり「ダメ社員」のレッテルを貼られることにもなりかねない。

 

 

入社する前に何をすればいいですか? という質問をよく聞くが、まずは自分の「睡眠」を見直すのが最も大切だといえるかもしれない。

今回紹介する本は、4月に入社を控える新社会人にもぜひおすすめしたい「睡眠」の本だ。

 

 

 

スタンフォード式 最高の睡眠 』

書名:スタンフォード式 最高の睡眠

著者:西野精治

出版社:サンマーク出版 (2017/2/28)

ISBN:9784763136015

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スタンフォード大学教授で、世界トップクラスの睡眠研究者の西野先生が最先端・最高峰の睡眠法を教える。

 

 

睡眠本というと、「○時間短眠法」など、少しエビデンスに乏しいのではないかと思うようなものがたくさん書店に並んでいるが、本書は「睡眠研究のメッカ」であるスタンフォード大学(一流の大学ってなんでも世界トップクラスですごい……)で研究を行っている西野先生が著者ということで、内容の確かさは折り紙つきだ。

 

 

こういった第一線で活躍する先生の本は、「眠るのは○時間だけでいい!」などと読者に聞こえのいい表現を安易に使うことができないため、明確なメソッドを示すことが難しい。しかし、この本ではしっかりと「『黄金の90分』の法則」という柱を打ち立てて、最低限の睡眠時間でも最大のパフォーマンスを発揮する方法が提示されている。

(一流の先生からしっかりとしたメソッドを引き出しているのは、編集者の力量なのだと思う。見習わないと……)

 

 

内容もそんなに堅苦しい感じではなく、「羊が一匹、羊が二匹……」はほんとに効果があるの? や「週末の寝だめ」は有効なの? など巷に溢れる睡眠に関する噂に言及しながら、わかりやすく「よりよい眠り」を実現するための工夫を示してくれている。

 

 

西野先生いわく、睡眠で最も大事なのは、眠りに入って「最初の90分」なのだそうだ。この90分を深くしっかりと眠ることができれば、全体の睡眠の質も自ずとよくなっていくという。

 

 

その90分の質を最大限高めるためのメソッドが「『黄金の90分』の法則」であり、本書のキモだ。どの方法も明日からできるような手軽なものなので、「実践しやすく効果が高い」という理想的な実用書を押さえている。

 

 

一流のスポーツマン、ビジネスパーソンが注目している睡眠。新しい生活に不安を抱える新社会人の皆さんは、本書を読んで、一気に「一流」の仲間入りを目指してみてはいかがだろうか。

 

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