【書評】『学校では教えてくれない! 国語辞典の遊び方』サンキュータツオ
「ことば」と「世界」
「ことば」が「思考」に影響を与えている、という考え方をご存じだろうか。
私たちは普段「ことば」を情報伝達の道具として見なしがちだが、実はその「ことば」によって、人間の根幹部ともいえる「思考」が影響を受けているというのである。
続きを読む【書評】『いまさら翼といわれても』米澤穂信
学生時代の「小さな痛み」
学生時代というのは、後悔を積み重ねる時期なのかもしれない。
トラウマなんていう大げさなものではないけれど、今でもふとしたきっかけで思い出して、小さな痛みを感じることがある。
続きを読む【書評】『悟浄出立』万城目学
「主役」と「脇役」
「あなたの人生の主役はあなた自身だ」
相手を鼓舞させるための使い古されたフレーズだけれど、いまだに使い続けられているのは、自分が「脇役」的な人生を歩んでいると考えている人が多いからだろう。
どうして僕らはいつまで経っても「主役」になれないのだろうか?
続きを読む【書評】『夜を乗り越える』又吉直樹
なぜ、本を読むのか?
僕がこの問いに明確に答えられるようになったのは、就職活動がきっかけだったように思う。
当時は面接で話すネタ作りのために、書店に通ったり漫画喫茶に籠ったりして、本や漫画をたくさん読んでいたのだが、正直毎日がかなり辛かった。
大好きな作家、大好きな漫画家の作品も全然頭に入ってこないし、つまらないし、日常の一部だった読書がこれほど苦痛なものになってしまっていることに戸惑っていた。
続きを読む